ビスククドールとはどんな人形?

コレクタードールとしても、定番の人気を誇るビスクドール。
西洋の古い人形、くらいの知識しかない方もおられるかもしれません。
どのような人形なのでしょうか。

 

 

15世紀あたりにフランスでファッションドールが作られ始め、18世紀にはおもちゃの人形として広まって行きました。
1855年のパリ万国博で、日本の市松人形が出品され、市松人形は小さな女の子がモデルなのですが、その影響で、今まで大人の体形だった人形が、6、7歳くらいの女の子をモデルとしたものが作られるようになりました。

 

 

19世紀末にはフランスやドイツで、ビスクドールの工房が出来るようになりました。

 

 

ビスクドールは、二度焼きした磁器製の人形です。
初期の頃は陶土を型に押し込んで作る「型押し」でしたが、その後液状ポーセリンを型に流し込んで作る「型流し」製法になり、現在でもその方法が取り入れられています。
ですので、初期の頃に作られた「型押し」製法のものの方が、骨董としての価値が上がっています。

 

 

ビスクドールは、美しい目に特徴がありますが、1つは「吹きガラスアイ」と言われているものです。
もう一つは「ペーパーウェイトアイ」と言われているもので、白い硫化ガラスの上にカラーと白のガラスを置いて、その上に黒い瞳を乗せるという方法で作られた目です。
この手法は有名なジュモーやブリュの人形の目がこの製法で作られていて、その目の美しさは素晴らしいものがあります。

 

 

口元は、口が開いていて歯が見えるようになっているものもあります(オープンマウス)。
昔はこの歯をつける技術が難しかったため、口を閉じている(クローズドマウス)より高価なものとされていました。
ですが、現代では、クローズドマウスが初期の頃の作品ということで、高値になっています。

 

 

ビスクドールのヘッドの後ろや背中、足の裏等にそのドールを作った工房のトレードマークが刻まれています。
このマークを見て、メーカーや年代等を判断することが出来るので、その人形の価値を計るのに重要なものです。

 

 

石膏製の人形型には、型番があり、これをモールドナンバーと言います。
人形を量産するために1つの型で50体とられていたこともありましたが、工房によっては1つの型に1体分しかとらないという、丁寧な作りのものもありました。

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